答えは⑤です。
この問題を解くには動滑車、定滑車、仕事の原理を理解している必要があります。
滑車と仕事については、下記の動画がよく説明されていますので、よかったらご覧ください。20分くらいですよ。
NHK高校講座 ベーシックサイエンス
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それでは解答です。
質量\(50kg\)の荷物、質量\(10kg\)の板、質量\(60kg\)の自分自身を持ち上げるのですから、持ち上げる総質量\(M\)は\(M=50+10+60=120kg\)です。
よって、重力\(F\)は、\(F=Mg=120\times9.8=1176N\)となります。
さて、動滑車を使っているので半分の力で持ち上がるなーと思って、ロープを引く力\(T\)を\(T=\displaystyle\frac{F}{2}=\frac{1176}{2}=588\simeq5.9\times10^2\)と計算して⑥を選ぶのは早とちりです(白くま父さんも最初間違いました。。。)
人が地面に居て荷物と板を持ち上げるのであれば半分の力で良いのですが、今回は板に荷物と共に自分自身が乗ってロープを引くのです。
つまり、上図のように、動滑車の2本のロープに加えて、人が持つ1本ロープの3つのロープに均等に張力\(T\)がかかることになります。
よって、\(F=3T\)ということになり、\(T=\displaystyle\frac{1176}{3}=392\simeq3.9\times10^2\)となります。この\(3T\)と重力\(F\)が釣り合いますので、\(T=\displaystyle\frac{F}{3}\)より強い力で引くと持ち上がるわけです。ということで答えは⑤となります。
ちょっと何だか納得いかないなー、なんで\(T=\displaystyle\frac{F}{3}\)なんだ?と思う方は、仮想的に高さ\(L\)だけ荷物、板、自分を持ち上げる場合を上図をみて考えてみてください。
張力\(T\)がかかっている3つのロープをそれぞれ\(L\)だけ短くしないと、高さ\(L\)だけ持ち上がりませんよね。
つまり、人は\(3L\)だけロープを引っ張らないと荷物、板、自分自身を高さ\(L\)分持ち上げられないのです。
よって仕事の原理から、仕事\(W=F\times L=T\times3L\)がなりたちますので、\(F=3T\)になりますよね。
他にも大学共通テストの解答の記事がありますので、よかったら見てくださいね。
初稿:2021-2-9
数式修正:2021-2-22
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